迫桜生の活動報告

【福祉教養系列】認知症VR体験会について

 11月20日(木)に株式会社ICHICO様、株式会社シルバーウッド様にご協力をいただき、認知症VR体験会を実施しました。

 今回は、認知症になった方本人の症状の体験に加え、認知症の方の家族の体験をさせていただきました。

 はじめに、脳の機能障害によって、ただ降車するだけにもかかわらずビルから飛び降りるように感じて一歩が踏み出せない視空間認知障害の体験や、電車に乗ったものの「ここがどこなのか分からなくなる」という見当識障害体験をしました。この体験を通して、認知症には様々な症状があり、その方の「見えている世界」が私たちとは大きく異なることを実感しました。そのため、私たちの視点だけで判断するのではなく、介助を行う私たち自身が認知症に対する正しい知識を身につけることが必要だと感じました。また、何よりも、その方が見ている世界や感じていることを理解するために、話を『聴く』ことの重要性を学びました。

 認知症の方の家族の体験では、自分の大切な親が少しずつ当たり前のことができなくなることで悲しみや怒りを抱えること、さらに近所や会社からの理解が得られず孤立を感じてしまう現実を知りました。その結果、大切な家族に対して当たってしまうという苦しみもあることを理解しました。

 この体験を通じて、生徒達からは「介護従事者になるものとして、今後さらに認知症について正しく理解し、知識を身に付け、認知症があっても社会に参加するきっかけを提供できる存在になりたい」「社会で認知症の方やご家族の方を孤立させるのではなく、生きがいを感じながら生活できるよう、多くの人に今回の体験を伝えたい」「不安を感じている人を見たら、『大丈夫ですか』と声をかけることからはじめたい」「偏見を持ち、決めつけるのではなく、常に相手のことを考え、思いやりを持って生活したい」という感想が挙がりました。

 ご協力を賜りました皆さま、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

 

【福祉教養系列】障害者支援施設見学について

 福祉教養系列の2・3年次の生徒が「社会福祉法人 共生福祉会 障害者支援施設 萩の郷 第二福寿苑」と「萩の郷 福寿苑」の2施設を見学をさせていただきました。

 第二福寿苑では施設見学の他、実際の介護現場で使用しているリフトを実演していただきました。また、福寿苑では障がいのある方の食事介助の実際についてや、生活支援員の方より、仕事内容や仕事のやりがいなどをお聞きしました。質疑・応答の時間も設けていただき、生徒たちは「介助で気をつけるべきこと」や「夜勤の際の利用者の方の様子」「福祉の仕事を目指す私たちにどんな力が大切だと思うか」「国家試験の勉強方法」など、積極的に質問をし、学びの多い時間となりました。

 お忙しい中、施設見学や懇切丁寧なご指導をいただき、ありがとうございました。

 

【福祉教養系列】バリアフリー図書体験について

 迫桜高校では宮城県視覚障害者情報センターよりバリアフリー図書を借用し、体験をさせていただきました。初めて触れる大活字本やLLブック、布絵本、マルチメディアDAISY図書等に生徒達は真剣な表情で説明を聞き、体験していました。体験した生徒からは「自分で布絵本を作ってみたい」「自分の見やすい色に変えることができる他、文字も拡大することが出来る拡大読書機に大変興味が沸きました」「簡単な文字とピクトグラムで書かれた本を読み、障がいを持っている方や、外国人の方、高齢者など多くの人にも楽しんでいただけるものだということを感じ、素敵だと思いました。」などといった感想が寄せられました。

 また、図書司書の先生よりリンゴの棚についてもご紹介いただき、学びの多い時間となりました。

 

 

【2年次福祉教養系列】とろみ剤の体験・ユニバーサルデザインフードについて

 2年次福祉教養系列の介護福祉基礎の授業にて、利用者の食事の実際について学ぶため、とろみ剤を入れた飲み物とユニバーサルデザインフード(区分3・4)の体験を行いました。

 生徒たちは夏季休業時に行われた校外介護実習において、利用者の方の身体状況に合わせて様々な食事が提供されていることをご教示いただき、食事介助を経験させていただいたものの、実際にその食事を食べるということは初めての体験でした。

 体験した生徒からは、「食べるのに抵抗があった。高齢者になると嗅覚も低下すると学んでいたけれど、見た目も何か分からないので判断が難しく、目で見て食事を楽しむということができないと感じた。」「喉ごしは良くても、食べた後に喉に残る感覚に違和感を感じた。」「見た目では何が提供されているか分からない。味を感じることはできても形がなければ想像がしにくい。そのため、「美味しいですか」という声掛けではなく、まずは献立の紹介をし、食事を楽しんでいただける声掛けを考えていきたい。」という感想が挙がりました。

 今後も実体験をもとに、利用者の方に寄り添う介護のあり方、声掛けを考え、利用者の方に安心感を与えることのできる介護福祉士の育成を目指して学ばせていきたいと思います。

 

※ユニバーサルデザインフードとは、日常の食事から介護食まで、食べやすさに配慮した食品のことを指します。区分は容易に噛める1から、かまなくても良い4まで分かれており、その方の咀嚼(そしゃく)機能に合わせて選択することができます。

【3年次福祉教養系列】介護実習報告会及び事例検討会について

 3年次福祉教養系列の介護総合演習の授業において、実習報告会及び事例検討会と題し、3年間の実習を振り返り、自分の成長や学びはもちろんのこと、3年次の実習で行った担当利用者の方の介護計画について改めて振り返り、スライドにまとめて発表を行いました。

 発表の後は、発表を聞いての感想を伝え合った他、他者の計画を見て、不足している情報や実際の支援方法についての疑問点、自分だったらこのような活動を取り入れたいなど、意見交換も行いました。今後も科学的根拠に基づいた質の高い介護を提供することができるよう、介護過程の学びを深めて参りたいと思います。 

 3年次は10月3日の実習をもって高校での校外実習(52日間)が修了しました。地域の高齢者施設で暮らされている利用者様や、職員の方のご支援をいただき、学びの多い時間となりました。ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。今後は、この感謝の気持ちを胸に、1月末に行われる介護福祉士国家試験に向けて、勉強にも力をいれていきたいと思います。