迫桜生の活動報告

【福祉教養系列】認知症VR(バーチャルリアリティ)体験会について

 去る11月14日(木)、宮城県保健福祉部長寿社会政策課、株式会社ICHIKO、株式会社シルバーウッドの担当者の皆さまにご協力をいただき、本校福祉教養系列選択生徒を対象に認知症VR体験会を開催しました。

 2・3年次生の体験には認知症の症状である視空間失認と幻視を、1年次生の体験では幻視に加え、認知症の方への家族の対応を、認知症の方の視点で2パターン体験させていただきました。これにより、認知症の方が普段見ている景色を実体験することができました。また、対応の違いによって、その方がどのような気持ちになるのかということや、関わり方によってどのような影響が出るのかということを実感することができました。

 今回、体験会の講師を務めてくださった株式会社シルバーウッドの大野様からは、「認知症の方の行動には理由があるため、’’おかしい人’’と思うのではなく、その方の見えている世界をまずは傾聴すること」「認知症の方が見えている’’幻視’’が特別なのではなく、私たちの近視や遠視、乱視と同様のものととらえるのはいかがか」というお話をいただきました。

 参加した生徒からは、「VRの中で車から降車する体験をしたのですが、2人の職員が優しく『大丈夫ですよ。ゆっくり降りましょう』と声を掛けてくださいましたが、認知症の方の視点からすると、ビルから飛び降りる感覚になり、何が大丈夫なのだろうかという疑問と不安を感じました。そのため、今後は『大丈夫ですよ』ではなく、まずは目を合わせ、前から声を掛けることを意識していきたいです。また、無理矢理動いていただこうとすると、認知症の方は不安から『怒鳴る』という行動で状態を悪化させることになるとのことだったため、丁寧に話を聞き、その方の世界を理解するということを心がけたいと思いました。そして、その方に何が見えているのかを聞き、一緒に楽しむことができるよう寄り添いたいです。これから更に認知症への理解を深めていきたいと思いました。」という感想がありました。

 今回の貴重な経験を生かし、認知症の方に寄り添った支援ができる介護福祉士を目指し、今後も努力を積み重ねていきたいと思います。ご指導くださった皆さま、ありがとうございました。